

ケータイ・スマホに潜む問題と危険
学校裏サイト
学校裏サイトとは、実在する学校の在校生や卒業生等が非公式に学校の名前をつけ運営しているサイトの総称です。
テスト勉強などの有益な情報交流の場として活用されるサイトがある一方で、学校名の一部をアルファベットに置き換える等分かりにくく隠され、誹謗(ひぼう)中傷が書き込まれているなど、問題があるサイトもあります。
誹謗(ひぼう)中傷が書き込まれているサイトでは、文面が隠語化され、インターネットの検索機能を用いて簡単に検索されないようにしてある場合が多く、内容も陰湿です。
岡山県教育委員会が実施している「ネットパトロール事業」の平成24年度報告によると、学校裏サイトおよびブログ、プロフ、家出サイト等の検索、監視等での問題検知件数は総計1万件に上り、公立中学校の約80%、高等学校の約98%で問題が検知されています。
問題の多くは、自分や他人の実名、学校名、電話番号等を書き込んだり、顔写真を掲載したりする等の「個人情報の流布」で全体の約80%を占めていますが、いじめや中傷等も100件近く見つかっています。
なお、無料通話アプリLINEなどのグループが学校裏サイトのような使い方をされる場合がありますが、会員制でネットパトロール業者は閲覧できないため、そこでの問題は報告件数には含まれていません。
問題点・危険性
- 個人情報を書き込むことにより、不審な電話や迷惑メール、援助交際への誘い等が送られてきます。
- 学校の友達同士が情報交換するのに便利な反面、書き込み内容をめぐり友達間のトラブルが起きることもあります。
- 匿名で嫌がらせ・誹謗(ひぼう)中傷が書き込まれ、いじめへと発展する場合があります。
- 感情むき出しの内容が多くの人にさらされた結果、当事者間だけで済まなくなり他人から過激な攻撃を受け収拾がつかなくなることがあります。
対策・対処
- 自分や他人の実名、学校名、電話番号や顔写真等の個人情報は掲載しないようにしましょう。
- 身近な人が見ればすぐに個人が特定できるという事実を認識しましょう。
- 人を傷つけたり、反感を買うような発言に注意しましょう。
- 被害にあった場合でも冷静に対処し、反論等の書き込みをせず、学校や警察に相談しましょう。
- 加害者になった場合は、書き込み内容をすぐに削除し、それ以上関わらないようにし、今後人を傷つけることのないよう反省することが必要です。
- 万が一、悪質な誹謗(ひぼう)中傷等の被害を受けた場合は、最寄りの警察署の相談係または生活環境課に届けましょう。
書き込みの削除
書き込まれた内容によって対処法が異なります。学校へ相談すれば、よりよい対処法をアドバイスしてくれ、問題解決にも協力してくれます。
- 事件性がある書き込みは、自分で削除したり、削除依頼をしたりせず学校や警察にすぐに連絡します。警察に被害届を出し事件化されると、プロバイダに対し発信者(書き込み者)の情報開示請求が行われ、加害者の特定が行われます。
- 事件性がない書き込みの場合でも、自分で削除したり、削除依頼をしたりする前に、書き込みが行われたサイトのURLを記録し、書き込まれた内容を記録しましょう。記録するには、URLをお気に入りに登録し、携帯電話のメモ機能を使って画面を保存したり、パソコンで印刷したりします。その後、下記のような対処を行うとよいでしょう。
- 掲示板等の場合は、あらかじめ用意された削除依頼のページやサイト管理者の連絡先を探し、削除依頼のメールを送ります。
- サイト管理者に削除依頼をしても削除されない場合は、そのサービスを提供している会社、サーバーの運営会社等に削除依頼をすることもできます。ただし、サーバーが海外にあるなどすると日本の法律が及ばないため削除依頼に応じてくれない場合があります。
2018年現在
学校裏サイトは、パソコンやフィーチャーフォン(ガラケー)からアクセスできる、ネット上の「電子掲示板」サービスを利用したものでした。今でも様々な「電子掲示板」のサービスがありますが、「学校裏サイト」という言葉がニュースなどで取り上げられることは減っています。現在は一人一人がアカウントの登録をする会員制のSNSで情報発信や情報交換をすることが増えたため、インターネットを使った誹謗中傷などは表面化しにくくなっています。